経営コンサルタントとして企業にアドバイスをしている管理人が、コンサルタントの思考に基づいて卓球の上達を考えてみる。
1. 経営コンサルティングの基本
まず経営コンサルティングの基本として、As-IsとTo-Beという考え方が存在する。As-Isは「現状」と言い換えられ、今置かれている状態を指す概念であり、To-Beは「あるべき姿」、目標とする状態のことを表す。
一般的に経営コンサルティングは、次のようなプロセスで行われることが多い。
- 企業がどうありたいのか(To-Be)を設定する。
- 今どんな状態なのか(As-Is)を知る。
- To-BeとAs-Isの間に生じているGap(ギャップ)を具体的にする。
- Gapを埋めるための打ち手(施策)を考える。
実は、限られた時間の中で効率的に卓球の上達を図るためにも、このプロセスは非常に重要である。以下で、各プロセスを通じて卓球上達に大切な考え方を紐解いていく。
2. To-Be(あるべき姿)を設定する
まず大事なのはTo-Be(あるべき姿)、いわゆる目標を設定することである。この時に、可能な限り具体的に考えることが重要である。例えば、「県大会でベスト16に入ること」などは抽象的過ぎる。 そのためにどうなる必要があるかという観点で、もう少し深堀すべきである。
具体的には、「下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブを90%の成功率にする」などが良いだろう。これぐらいのレベル感で、思いつく限りのTo-Be像を書き起こしてみてほしい。そして、そのTo-Beを達成する目標の期限も設定しておくのも忘れないように。
3. As-Is(現状)を分析する
To-Beが設定できたら、次は自分がいまどのような状態なのかというAs-Is(現状)を分析してみる。この時、先ほど設定したTo-Beと比較できる形でAs-Isを考えることがポイントだ。
例えば、To-Beが「 下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブを90%の成功率にする」という内容であった。この場合分析すべきは、「下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブが何%ぐらい成功しているか」である。ここでは仮に70%だとしておく。
他にも、思いつく限り書き起こしたTo-Beと対比しながらAs-Isを分析しておこう。
4. Gap(ギャップ)を具体化する
いよいよGap(ギャップ)を具体化するフェーズである。To-BeとAs-Isが明らかになったので、そこにはGapが生じているかと思う。
先ほどまでの例であれば、
- To-Be:下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブを90%の成功率にする
- As-Is:下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブは70%の成功率である
- Gap:下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブの成功率に20%の差がある
というように、Gapが判明する。
ここからさらに、Gapが発生している原因を具体化していくことが重要である。この場合、自分がやってしまうミスの種類を列挙するのが良いと考える。
- 足が動ききっていないミスがある
- 無理をしてスピードドライブを打ちにいってしまってミスが出ている
- ラケットの角に当てるミスがある
など、人によっていろいろあると思うが、このように洗い出すことで、次に打ち手を考えることができる。
5. 打ち手を考える
最後に先ほど洗い出したGapの発生原因を解決する打ち手(施策)を考える必要がある。例のGap・発生原因で言うと、「スピードドライブを打てるかわからないボールは打点を落としてループドライブでつなぐ」という練習をするのが打ち手になるだろう。
相手のツッツキを以下の3つに自分の中で分類するといいと思う。
- スピードドライブが確実に成功するツッツキ
- スピードドライブを打てるかわっからないツッツキ
- スピードドライブをすれば確実にミスするツッツキ
おそらく、例で出しているAs-Isの場合、②も大体スピードドライブしに行ってしまっているのだろう。そこで、打ち手の案としては②はループしに行く練習をするというのが良いと思う。
もし、それでカウンターされる頻度が増えるという場合は、再度To-Be、As-Is分析からやり直していこう。この過程を「PDCAサイクルを回す」と呼んだりするが、次回にお預けしよう。
PDCAサイクルの記事↓
以上
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