1. PDCAとは?
恒例のPDCAの説明から。 PDCAサイクルという言葉を読者の皆さんは聞いたことがあるだろうか。企業などが事業活動を行っていくうえで、継続的に業務改善をしていくための手法の一つである。PDCAの名称は、サイクルを構成する頭文字からできている。
卓球においても、上達を継続的かつ効率的に図るためには、PDCAサイクルを回すことが重要である。これまでは"P"、"D"、"C"について触れてきたので、今回のエントリではいよいよ最後の"A"について。
2. "A"の意味
”A"はActの略であり、日本語では「改善(する)」などと訳される。"A"は、前回の記事で紹介した"C"のプロセスにおける「評価」に基づき、行動などを「改善」するというプロセスである。
前回の記事↓
当然のことであるが、"P" =「計画」があっての、"D" =「実行」であり、"D"があっての、"C" =「評価」でであり、さらに、"C"あっての"A" = 「改善」である。ゆえに、"A"を考える上でも、最も大切なプロセスは"P"である。"P"の精度によって"A"のやりやすさに大きな影響がでるので、気を付けたいところである。
では、"A"について具体的に見ていこう。
3. "A"の具体例
"C"のプロセスにおいて「評価」した内容に基づき、これまで回してきたプロセスの「改善」を実施するフェーズである。具体例は今回は卓球のみにしたいと思うが、以下ような"P"~"C"のプロセスだったとしよう。
- "P" = 1か月後、 下回転サービスを出して、ツッツキが来た後の3球目ドライブを90%の成功率にするという「計画」
- "D" = 1か月間、下回転サービスを出して全面ランダムのツッツキレシーブを出してもらって3球目ドライブする練習を「実行」
- "C" = 1か月後、フォアドライブの精度は95%を超えているが、バックドライブは70%程度の成功率に留まってしまったという風に「評価」
この時に"A"では「改善」の方法を考え、実施する。例えばこの例であれば、レシーブを全面ランダムにせずに、基本的にはバックでたまにフォアというように、バックの比率を高める練習の「改善」を図るべきだろう。
この例であれば、具体的な状況が不明瞭なのでわからないが、練習の改善だけではなく、他にも改善ポイントはあるかもしれない。
例えば以下。
- そもそも練習の回数が少ないから、練習回数を増やすべき
- 練習時間が短いから、練習時間を増やすべき
- 用具が古くなっているから、新しいものにすべき
- スイングが悪いから、まずはバックハンドの素振りをしてスイングを固めるべき
など
このように、"A"のプロセスでは想定し得る様々な原因を検証しながら「改善」を実施していくべきだ。
4. そしてまた"P"へ
改善策が分かった場合、ひたすらその改善を実施するとともに、再度"P"のプロセスに戻ってほしい。元の計画通りに進みそうか、計画の上方修正が可能なのか、下方修正が必要になってしまうのか、よく考えて再度"P"のプロセスを実施する。
これが、PDCAサイクルを回すという言葉の本質である。繰り返し書いているが、"P"の設定が最も大事なプロセスであるので、もう一度、"P"についての記事も確認しておいてほしい。
これにて、3回にわたって掲載したPDCAサイクルのお話も終わりである。
次回からのテーマはリクエストに応えていきたいと思うので、ぜひコメント等残していただけると嬉しい。
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以上。
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